№730  葛城山 (約12.0km)   


実に見事な双耳峰、又は矢筈、「ふたコブラクダの背」と呼ぶ我。

今日は爽やか登山口、施設(伊勢自然の里)は閉館ゲートは施錠。

16年振りの葛城山は「よくぞ残った大自然」「良くぞ残されたか大自然」

コナラの大木、カズラの群生、元気で太い赤松林。感動止まぬ尾根を歩き。


◎所在地 : 姫路市大堤町とその北山塊・林田町の東山塊

◎地形図 : 『安志(あんじ)』     

◎山行日 : 2020. 5.20 (水)  晴れ  

参考:葛城山
06. 2.25 369    寺家➀ 06. 2.11 368   

◎山行者 : 単独      Age=73

◎コースの見所など : ①
「伊勢自然の里・環境学習センター」 

                ②葛城山の東・西・南尾根(340mまで)の高木雑木帯素晴らしい自然林

◎走行距離 : 往路 ①43.0km   往復 85.3km


「伊勢自然の里・環境学習センター」~林道~200m~突き詰め~主尾根~406m(三郡山)~

尾根西進~三町境界~葛城山(△不動山)~尾根西進探索~引き返し~葛城山~尾根南下~340m~

327m~338m~赤塚池~舗装路歩き~「伊勢自然の里・環境学習センター」


自宅発(7:34)~姫路BP~中地(8:11)~R29~林田町口佐見~R519~奥佐見~R413北上~

大堤~1・伊勢自然の里(8:45~9:05)~2・ダム(9:20)~3・200m(9:30)~4・(10:06)~

A・尾根(10:25)~406m・三郡山(10:30)~引き返し~三町境界(10:35)~B・(11:15)~

5・(10:44)~6・(11:04)~7・(11:26)~8・葛城山(11:34~11:38)~9・(11:59)~

引き返し~10・(12:02 昼 12:25)~11・(12:30)~引き返し~10~12・(12:42)~引き返し~

8・葛城山(13:12)~13.(12:23)~14・(13:42)~15・(13:49)~16・(14:00)~

17・340m(14:20)~18・(14:29 おやつ 14:36)~19・谷筋(14:40)~20・尾根(14:51)~

C・(14:53)~21・(14:58)~22・327m(15:08)~23・(15:20)~24・338m(15:34~15:40)~

25・峠(15:51)~26・(15:58)~27・赤塚池(16:05)~ゲート(16:14)~D・庚申塔(16:17)~

舗装路歩き~1・伊勢自然の里(16:34~16:49)~往路R314~R29~往路~自宅(17:45)



国道29号線を走りながら、見事な双耳峰を初めて見た時「ラクダの背」と直感した。その日が何時だったか・・・。十数年・・・二十年近くなるかも知れない。この山も近くて遠い山だったがようやく上れる日が来た。本来なら下伊勢からR413に乗って北上するところを「歩く前にもう一度眺めておこう」と思い林田町口佐見へ回った。「積年のこの山に・・・」天然温泉「ゆたりん」の前を通過し、R519からR413に出る。

 
口佐見から「ラクダの背」を眺める 8:35      伊勢岩屋の森案内板 8:42

T字路の正面に大きな「伊勢岩屋の森案内図(写真入りイラスト)が立っていてしばらく見入った。(8:42)長閑な山里を見ながら目的地に着く。1・伊勢自然の里(8:45~9:05)施設のPに4台の車が止まっていたがP入口に閉館の札が掛かっていた。ここに止めようかとも思ったがゲートの施錠も考えて林道入口の広場に止めた。ここなら時間を気にする事も無し。直ぐ横の山裾で年配のご夫婦が何かを摘んでおられた。

 
1番:P横で薬草を採取の夫婦 8:53       林道ゲートから「自然の里」8:55

 
林道から施設の下方 9:13             林道から施設の奥 9:15

挨拶を兼ねたずねると「糖尿病にきく薬草を摘んでいる」との事だった。乾燥させて利用すとの事だったが、やせ形の奥さんが飲用するためで太り気味の主人と摘んでおられた。「こうして苦労して収穫した者にご褒美としてより効能が有るんじゃないかとも思う」と言われて「なるほど、それもそうや」その作業自体が運動になってと納得した。私も子供の頃から甘いものが好きで、成人してからもおふくろが糖尿病の心配をしてくれていた事を思い出した。

今から上る山は平成の大合併までは姫路市の最高峰だったこと等話して離れた。林道入口少し上のゲートを見ると嫌な予感、見に行くと鎖で巻かれ施錠されていた。「やっぱり・・・」ゲートを乗り越えるか、施設内を通してもらうか。林道を選択したがゲート乗り越えは丸見えで気が引けるので山の中で柵を乗り越え林道に出た。施設を右下に見て歩くと職員だろ人が池を見回ってビオトープの管理をされていた。

連なる池や湿地からは軽やかなカエルの合唱が続いた。橋を渡り山に入ると「ひんやり」した。心地良い水音、細流に沿って上る。地図の池マークは砂防ダムになったようだ。
2・ダム(9:20)道の左右は急斜面が続く。二つ目の砂防ダム(9:29)間もなく谷が分岐する。3・200m(9:30)林道はここまでの状況。北の谷へ入ると間もなく、左に苔むした削平地が在り踏み込むと瓶類等が散乱し山仕事の生活(小屋)の跡と思った。

  
3番:200m・谷分岐 9:30              石切り場跡 9:42

そこを発って直ぐ上に石切り場(石を切り出す所)が在った。御影石以外での切りだしを見たのは初めて。その奥にも「ここもか・・・」と思う所が在り道から外れて入って見ると切り取った跡は崖になって鞍部から水が落ちて滝になっていた。石はまるで豆腐を刃物で切ったような節理の不思議な石だった。消えていた林道らしき道が現れ細流無くなり水音が消える。間もなく車回しを通過すると道は無くなる。
4・(10:06)

ここから西の谷を上れば葛城山にショートカットで時短になるが計画通り北の谷を上った。樹齢100年近い杉林に。炭焼き窯跡が二か所在った。窯跡が在ると言う事は当時は雑木林だったことになる。急登でジグザグと上り切った。
A・尾根(10:25)とりあえず東の406mに登って見ると記憶通り「三郡山 大堤」の札が掛かっていた。406m・三郡山(10:30)尾根の東から北面は自然林で太いコナラや山ザクラが点々と生えていた。

  
Aの東ピーク406mの札 10:29           同所東の植生 10:32

引き返し葛城山を目指す。
三町境界(10:35)ここは林田・安富・夢前町の境界交点で稀な地点。太い杉の木が落雷で目高辺りで吹っ飛んでいた。植界尾根は下草なく快適に歩ける。5・コル(10:44)ここから二度目の急登で「祖谷のカズラ橋」に使われているカズラや太い藤蔓が木々に巻き付いたり地を這っていた。右杉林になり中程で古墳かと思う意味ありげな石列を見て上り切る。6・(11:04)

  
5番:右から下って来た 10:44           意味ありげな石列 10:56

  
B: 11:15                        落ち葉でふかふか尾根 11:19

ここからは左右自然林になり「姫路にこんなにも自然豊かな山が在るのか」と思いながら歩く。
7・(11:26)右ヒノキも見るがその下方は自然林で太い赤松も見る。前方が明るくなって16年振りの葛城山に着いた。8・葛城山(11:34~11:38)南面に一段低い平地が在り樹上から伊勢山山塊の奥に瀬戸内海と小島が見えた。ここで昼にして目的の南尾根を下ろうかと思ったが「この西の方にもっと展望の良い所があったはず」とそこを目指して発った。

  
8番:葛城山・東から 11:34             葛城山から南樹間 11:37

  
唯一見かけた大柿布 11:47            道草尾根も快適 11:48

16年に巻いた大柿布を見るが黒ずんでいた。(11:47)進めど進めど在る筈の展望は無く尾根肩に着く。9・(11:59)「ここで昼に」と一度はザックを下ろしたが途中に良き尾根を見つけていたので「あの尾根かも」と引き返した。10・(12:02 昼 12:25)展望なきまゝ昼にしたが寒くなり「非常時のために」と忍ばせていたダウンを着た。「これ持ってて良かった」。

  
9番尾根肩: 11:59                 10番:東から 12:02
  
食後ザックは負わず、すぐ南の開きに立つとR29とその上方に尾根が横たわっていたが同定はできなかった。その訳は、葛城山から寄り道せず直に「ラクダの背」を目指すつもりだったので持参地図の範囲に現在地が収まっていなかった。西尾根を歩く。左ヒノキ林、小コブ辺りから右樹間から9番尾根が見えた。
11・(12:30)尾根肩はどの方向も急下りで展望なく引き返す。

  
11番尾根肩 12:30                 10番からR29方面 12:34

10番に戻って今度は南尾を鹿網に沿って下ると尾根肩から急下りで引き返す。12・(12:42)引き返しザックを背負い葛城山を目指す。尾根は凄く歩き易いが方向を誤り易い所に布を掛けていたのが正解でこれを怠っていれば数カ所で困るところだった。8・葛城山(13:12)午前に着いた時より視程が良くなっていた。「ラクダの背」を目指して下る。尾根は無いが分岐も無い。少し下った右(西)に源頭に接して30坪位の平地が在った。

  
8番:葛城山から南樹間 13:12           葛城山南下源頭 13:16

不動山と言うから不動明王を祀るお堂が建っていたかも。
13.(12:23)東山肌に踏み跡(杣道)が在り護持、大堤地区と山田地区を繋ぐ峠だったかかも。植生は豊かで太い赤松やコナラが生えていた。幅の広い尾根で左右山肌は凸凹が連続の特異な地形が続く。14・(13:42)ここまでにも見たがあちこちで「ヒシャカキ」の樹皮が剥がれている。鹿によるものと思うが是は初めて見る光景、普通は「リョウブ」の木だ。15・(13:49)

  
13番辺りの尾根 13:26               私の遊び・次に見た人は何を思う 13:31

  
食害のヒシャカキ 13:45               15番:北から 13:49

方向が変わるので慎重に進む。
16・(14:00)尾根肩でここから角の無い露岩帯になる。それを下ると尾横ばいになり巨樹登録に値するほど太いコナラを見る。17・340m(14:20)東尾根に開きが在り誘い込まれる所だった。現在地確認南向きに下りかけたが切れ落ち状で「これは違う」周りを見渡すと西にピークが見えた。「あれを越えるのか」この思い込みが後にえらいことになった。

 
16番尾根肩下方から 14:01           17番手前二抱えを越えるコナラ 14:09

  
18番への上り 14:27                 18番: 14:36

  
20番:左から上って来た 14:51          20番先 14:51             C:北から 14:54

 
伊勢山と岩屋(右の白い所) 14:54         22番:327mピーク 15:07

  
22番から24番338mの眺め 15:13       24番への鞍部 15:17

一段上り、二段目から小シダが出てヤブっぽくなる。左樹間から大堤集落が見える。
22・327m(15:08)展望無きごく普通の頂だった。下りから素晴らしい高木雑木帯になる。23・(15:20)南コブへアタック開始。この上りは我慢と辛抱と根性が要った。特に頂きに近くなると露岩帯の激登だった。24・338m(15:34~15:40)「

  
24番への鞍部 15:19                24番への上り 15:26

  
24番ピーク:北から 15:33             24番から 伊勢山と岩屋(右の白い所) 15:37

  
24番先から大堤地区 15:38           26番:峠道終点 15:58

南尾根へ下らないよう慎重に方向を定める。最終ピークが見えたが「あそこまで行けるだろうか・・・。」これから先の鞍部の何処かに峠が在ればそれで里の出ると言う選択も考えながら下った。25・峠(15:51)峠と知らなかったが明確な道が現れ、計画変更の甘えが出てこの道で里へ下ることにした。道は雑木林をほぼ横ばいのまま進み、北の谷筋手前で消えかけ、谷筋で消えてしまった。26・(15:58)

  

  
赤塚池への下り 16:03                赤塚池の泡卵 16:06

道は消えてしまったが下方の池に管理道が在るのは確実で池を目指した。左谷筋は杉林、右は雑木林。緩く下って行くと幅は狭いが深く浸食された溝が出てそれに沿って下ると池に着いた。
27・赤塚池上池(16:05)池に垂れ下がる雑木の枝に「モリアオガエル」の泡卵が一杯付いていた。地図では二つの池も実際は三つ在り、中池・下池の間を通過、泡卵は上池だけに付いていた。ゲート・(16:14)

  
赤塚下池 16:09                     赤塚下池から大堤集落 16:09

民家横のゲートには施錠は無く山裾の道を歩いていると左山裾岩場に小振りのお社で庚申さんが祀られていた。庚申(こうしん)塔(16:17)
案内板
庚申塔 「像は船形光背金剛像で、像容は四臂の憤怒像で頭髪は逆立ち左手に三股棒を持ち、右手には輪宝絹索を持つ。 庚申信仰 昔は暦で、年や日を十干十二干支の組み合わせで表しており、庚申の日は「庚(かのえ)」と「申(さる)の組み合わせで六十日ごとに巡ってくる。庚申信仰は道教の信仰で、庚申の日に帝釈天・青面金剛や猿田彦を祭り、夜を徹して健康・長寿を祈り、江戸時代前期から発達した。構的な結集が組まれ、その記念に建てたもの。」

  
庚申塔(お堂内の塔) 16:18              24番338m振り向き眺める 16:29

疲れを感じながらも民家の庭の花や周りの景色を見ながら、のんびり歩き車に戻ったが途中の墓地ではタヌキがいて急いで逃げるでもなく何かを食べていた。。

歩きの記録にもどる トップにもどる


22
21
17
16
14
15

11

10
18
19
20
13
12
23
24
25
26
27