石龕寺の山門(仁王門) 9:53
両脇の金剛力士像(仁王像)は国指定重要文化財、このお寺は、用明天皇丁未の年(西暦587)
聖徳太子によって開かれた毘沙門天信仰の聖地である。正面奥のお堂の左手より巡視路を上る
。間もなく鉄塔に着く、ここから見下ろすと参道と集落が見える。3・鉄塔(10:23)
鉄塔からも軽岩場が在り、それを越して間もなく同年代と思えるご夫婦が下って来られた。『高見城山の方からですか』と訊くと『頭光岳経由で』だった。傾斜がやや緩くなって尾根に乗った。4・(10:44) 横ばいを行って上りに掛かった時、又もや同年代と思える長身の男性が下って来られ、挨拶の後『見回りですか』とたずねられた(ヘルメットに鉈を見てだろう)。
『いいえ、道なき所を歩くものですから』『古道歩きなどされる「やまあそ」さんと仲間ですか』『ハイ良く知っています』この人も頭光岳経由だった。小雨が降り始めていて急いで下っていかれた。その後直ぐ『もう少しお互いを紹介しあえば良かった』と思ったが時既に遅し・・・。上り切った所が「重ね岩(西尾根)」への分岐。5・重ね岩分岐(9:50)
そこから横ばい岩稜尾根を進み岩屋山に着いた。6・岩屋山(10:57) 岩屋山の上は草に覆われていた。熊野・白山両権現が祀られているが先端の祠は人造御影石ながら新しく、手前のは天然石で作られた祠で半ば崩れていた。
岩屋山の祠 南から
遅れた妻を待っておやつを食べた。妻が『なぜか今日はしんどいから、ここで引き返そうと思う』見ると顔一面に玉の汗が吹き出ていて明らかに何時もの表情と違っていた。雨は止んでいたが至山の方では雨が降っているのが分かった。オレンジを半分ずつを食べ、妻のことも心配だったが後は私一人で先へ進んだ。発(11:06) 発って直ぐ右手が発掘調査されたのか東西に大きな溝が掘られていた。
頭光岳への分岐、三本の掘り切りを通過して石戸山に着くと、前回までは建っていた中継塔施設が撤去されて更地になっていた。久し振りに見る一等石標はさすがに貫録があった。7・石戸山(11:17) 展望は相変わらず無し。柏原・山南・氷上町の境界が交わる所。休む事無く下りに掛かった。同じ方向に下るのは2回目なので迷う事無く踏み込んだ。初めての時には「谷川駅」との小さな札が掛かっていて、そこそこの踏み跡が在ったが今回も塞がらずに在った。
石戸山:南から(11:16)
下草なし灌木帯を下る、「ベル」のマーキングが入っていた。傾斜が緩んで急下りの後左が太い桧林になりコルに着いた。。8・(11:24) 前回はここから北の林道(実際は地図ほど高い所まで上がってきていない)に下って牧場から峠を越えて丹波悠遊の森へ戻った。今回、獣道かも知れないが横ばいで西への踏み跡が在った。牧場の方から石龕寺への古道かも・・・。
少し上ると緩くなる、ベルのマーキングは続いて短い中上りをすると足元から右(東〜南)が全開になり、小雨が降っていたが腰を下ろしておやつタイム入った。9・(11:30)金屋地区の谷と先方にパルプ工場、その上方に妙見山を中心にテンロクや白山が見えた。目前には後で歩く植林ピークの (14) と (16) と思うピークが見えた。
発(11:39) 岩稜っぽい界尾根は横ばいで開きが在り難なく歩け、やがて短い上りの界は軽い岩場になる。右(南面)を巻いて上ろうかと思ったが岩場を登ると後方が全開になった(少し切り開きをした)。岩屋山・石戸山から高見城山への尾根が見えた。
(9)先の岩場から振り返る(11:41)@岩屋山 A石戸山 B下ってきた尾根 C(9)方面
視界が塞がり軽く上り返すと今日のターニングポイントだった。10・分岐(11:44) 妻の事もあり『早く車に戻りたい』と言う気持ちと『ここまで来たのだから計画通り491mまで行って見たい』結論が出ないまま『491m尾根を少し覗いてみよう』と思い踏み込むと何故か明るい開きが在り『もう少し先は・・・』と、つい欲が出た。
『こうなったら行ってしまえ』とザックを投げ捨てて491mを目指した。
止んでいた雨が降り始めたが大降りは無いと判断で焦る気持ち無く進んだ。自然林尾根の樹間の左に高見城山への尾根、右は「谷川の郷」への町境界尾根が見えた。尾根肩から下って次の小さなコブは鉄平石が採掘されて東半分が削り取られていた。11・(11:47)
少し塞がり、心配したが直ぐに開け露岩が出始める、上りに掛かると大岩が連なる、そんな中を只一人歩く自分に満足だった。岩を越えなくても裾を通過できたがここは山猿、岩を越えていった。そして上り切っての下りでドラマがあった。12・(11:55)
東面180度が開けた。より展望を得ようと大岩の上に立って『さて、何処が見えるかな・・・』と眺めると北方向に特徴ある山容の三尾山が同定でき、黒頭・夏栗。夏栗の後ろに三岳が頭を出していた。南へ展じると高山・猿藪・白髪・松尾山などが同定でき、予想無き展望に『この尾根に乗った甲斐があった』と思いながらそこを去った。
(12)への上り岩場(11:53) (12)からの展望(11:55)
(12)先の尾根はこんな所も在る東から振り返る(11:59)
(12)を下ってからは横ばいが続いて『何でこんなに開けた尾根・・・』と思いながら進んだ。後で歩く(14〜22)の界尾根が見える所もある。視界が途絶えて開きも曖昧になり、軽く上ると491mだった。 13・491m(12:04) 展望なし。開きはここまでで東尾根に下れそうだった。うろうろしていると上ってきた方向が分からなくなってコンパスで確認する始末。
帰りは、雨の心配はなさそうだったが一目散、そして境界に戻った。10・分岐(12:21) 展望は無いがおにぎりを食べて腹こしらえをした 発(12:32)右植えっ放しの桧林、左自然林の界を短く下って上る。14・(12:38)現在地を確認しながら順調に進む。15・(12:41) 右桧林、左自然林の植生は変わらず。 (16) への上りは直で急登ちょっと堪えた。
16・536m/谷川駅分岐(12:49) 展望なし。マーキングは踏み跡とともに南尾根にあり、予想通り谷川駅への分岐だった。『私が進む界尾根は・・・』と覗くとヤブっぽくも難なく歩けそうでホッ。とは言え491m尾根や朝方下から見た限りでは柴笹ヤブっぽかったので気は緩めなかった。
界を進んで間もなく尾根左が切れ落ちる。17・(12:56) 間もなく北が数メートルの崖になり覗き込むと下には林道が在った。林道と言っても今では道の上にも木が生えている状況、道は尾根に沿って付いていたが何処を見ても急斜面の山肌、一体何処から上がって来たのか探りたかったがあきらめた。
491m尾根から見え、地図にもマークが付いている崖崩れの所にさしかかる。18・(13:04) 北が全開で491m尾根の右に向山・清水山・譲葉山その左奥に五台山から五大山を同定。そんな時小雨が降ってきて北足元の谷に虹が掛かった。目線より下に見る虹はそうそう見られるものでなく、今日のは色も特別きれいに見えた。
(18)辺りから北を展望の時虹が現れた(13:02) (18)辺りから北を眺める(13:05)五台山〜五大山
横ばいが続くが柴ヤブっぽくなり、北側は地肌が崩れ落ちていた。林道は確認できたが曖昧になり尾根肩で終点になっていた。19・(13:13) ヤブっぽさは消えて中下りで横ばいになった。朽ち掛けた松の倒木が出るが何時もの程度。コブに着いた。20・イノシシ(13:20) 『方向は・・・』と思う間もなく前方で“がさごそ”と音がした。『何物か・・・』と耳と目を澄ます。
すると、コブ右下を子供(ウリボウではなかった)のイノシシが連なって(2頭は確認)後方へと走り去った。方向を確認して歩き始めた時掘り返した地面の一端に先ほどまで気持ちよく寝ていたイノシシの寝床があった。手で触るとまだ温もりが残っていた。石戸山から打ってあったコンクリート杭と赤プラ杭のうち赤プラ杭は南に下り、コンクリート杭は続いた。開きは在って難なく下れ、横ばいに入り尾根肩に着く。21・(13:32) 展望なし。ここでおやつを食べる。発(13:35)
朽ち倒木で塞がり気味になるも歩くには問題なし、コルに着くと笹が覆い始め、上りに掛かると正面の山肌が崩れていた。鉄平石を採掘した跡で、その崖の上に立つと (21・20・19)、(20と19) の間に (17) と思うピークが頭を出していた。北には349m尾根が右肩を落として見えていた。(13:40)
(22)手前鉄平石を採掘した崖から(13:40) (20)イノシシの寝床:東から(13:22)
崖から離れて直ぐに22・319m(13:45) ここも夏草が覆っていたが町境界には予相無き明るい踏み跡が付いていた。それもそのはずTVの廃棄アンテナが放置されていた。何処へ下るのか分からないが界に沿って付いていたのでルンルンで下れ、右には歩いてきた尾根やピークが見えた。尾根肩に着くとここに移設されたのだろうTVアンテナが建っていた。23・アンテナ(?) 樹間から下方に谷川の郷やR=86が見えた。
アンテナからもしばらくは道が付いていたが何故か次第に不明瞭になって次には見失ってしまった。すでに界から外れ谷川の郷を目指して下った。下るにかけて笹柴ヤブとイバラが出て大変だったがほぼ思っていた所、別荘(無人の建物)の裏に出た。24・谷川の郷(14:00) 舗装路に出て自転車デポ地点に着いた。1・自転車デポ(14:06) 後は向かい風をものともせず?、激漕ぎで妻が待つ石龕寺を目指して走った。
石龕寺への新道は初めは快適と思っていたが緩いながらダラ上りが堪えてきて集落外れからの上りは遂に下車。妻が元気な顔で迎えてくれてホッ。2・石龕寺(14:38) 石龕寺は紅葉の名所としても知られている所であるが今年はモミジの「葉ずれ」もなく美しい紅葉が期待できそうだ。間もなく小雨が降り始め発ったが西脇市辺りではワイパーも効かないほどの土砂降りになった。
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