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天狗岩に戻って南から登りかけた時、向かい側山肌に顔を突き出す龍(上写真)龍頭岩と呼ぶらしいが私の印象は「鯉の頭」だった。どちらにしても、一度この頭に乗ってみたいと思うのは私だけでしょうか・・?そして天狗岩の頂に立つ。 8・(11:50) 勿論抜群の展望、ふと足元を見るとカケスと見慣れない鳥の羽が散乱していて奇麗な羽を拾う。「多分猛禽に襲われたのだろう」と思い空を見上げると一羽の猛禽が悠然と舞っていた。猛禽を見るのは今年になって3回3羽目だ。
井上さん夫婦と妻は先の岩の上(前回は高星からの下りでピンチを凌いでようやくこの岩の上に出て、自分に落ち着け落ち行けと言い聞かせながら何処を下るかルート設定をした)に立っていて、お互いに写真を撮り合って私も天狗岩から降りて後を追う。植生は、左アセビ右高木雑木が続いて瑞々しい新緑が体に染み入る。923mPを越えた辺りだろうかおにぎりタイム。 9・(12:25〜12:54) 今後の山行の話等しながらゆっく腰を据えて食べる。発ってしばらくすると、いよいよ幅広尾根に入って行く。
前回の不安一杯の下りと違って、読図に長けて慎重な井上さんと一緒なので楽しい。シダの新芽が出始めているが下草なく何処でも歩き放題、未だ所々にミツバツツジを見るがアセビは群落有るも花は見ない。(今年はここに限らずパラパラ咲き程度)太い樅が出始める。樹上が開けて平石方面の1067mの頭が覗く(井上さん同定)うろうろしていたら(10)辺りの北の谷に源頭を見る、それも水音をたてて湧き出る水量に驚く。
ここへは笹とススキ原の中に車が通れる幅の道が上がってきたいた。しばらくその道を下り、見覚えの有る地点へむかって笹原を分けて進む。笹原の中に疎らに生えた木に巻いた前回の布を探す。下の方に生えるクヌギに赤っぽいひもが風になびいて景色も何となく記憶に近い。布を確認することなく北の深い杉植林谷筋へ入る。 3・(9:40) 確かな踏み跡は有るが記憶になく早くも不安が募る。
薄暗い谷を詰めて行き、井上さんと現在地確認するも定まらず。(前回下った時にはそれなりに道が在ったので安易に考えていた)そこで、私は東に見える尾根へ下見に上がると学園の一部が見えて凡そ現在地が分かって皆を呼び上げる。 4・尾根(9:50 ) そこで現在地確認するも確定が出来ないまま尾根を上る。尾根には太い赤松が沢山残されていて少し緩んだ所で休む。
岩場に近い急登を上りきると2回目の緩みとなって休む。 5・前回の下山コース交差(10:00) 短いながら西の谷へ向かって確かな道が下りていて、また何時か通過するかも知れない時の為に今日初めてのマーキングをする。その道は北の尾根に向かってほぼ水平に付いていた。(こちらは明瞭で前回通過した道のようであった)そこから更に急登になってこの尾根最後の展望所で本格休憩に入った。 (10:18〜10:30)
学園やグランドやR=404も見えていた。井上さんにアイスパイナップルを頂く。
そこからも急登が続く。左桧林の先に西が展望出来そうな尾根が在り、傾斜のきつい桧林を滑りながら上ってその尾根へ乗るが展望無し、期待の大岩も未だ姿を見せない。そのまま尾根を上る、ヤブレガサの群落を通過すると、やがてイガと柴藪になり少し東へ巻いて上っていると横たわった赤松が有った。その上に登って見ると(一寸危ない)真下には学園、北は栃原と生野G場その上に達磨ガ峰が見えた。 6・松の木(10:49)
若葉も美しい柴雑木林を上っていると大岩に突き当たった。いよいよ期待の岩場に入る。 7・周辺(10:57) 井上夫妻も「藪を恐れぬ兵である」とは分かっていたがお互い良くガンバッタご褒美か・・・。岩の上に出ての展望と少し上に在る更に大きな岩壁に揃って歓声を挙げ見上げる。「高い所は苦手]と言っていた井上さんも感動に押されてか岩の上に立つ。(奥さんは怖くない様子だった)
bQ99
誰かさんのコース辿って天狗岩を目指したけれど、入り口分からず元に戻り
私が下ったコースで上る。にも関わらずコース失い不安を抱き抱き登った先は、天狗岩の
下の岩場。アセビとミズナラ大群落の広尾根行けば水が湧き出る、源頭見つけて高星へ。
町界下れば感動再び。これ幻の滝、更に下って異口同音はこれ正に空中庭園。
生野学園〜天狗岩〜923m〜高星山(たかぼし)〜町界南下〜614m〜グランド。
◎所在地 : 朝来郡生野町栃原西の大岩峰と同地区と神崎郡大河内町の町境界
◎地形図 : 2万5千図 『生野(いくの)』 『長谷(はせ)』
◎山行日 : 2004. 5. 2 (日) 曇り(さわやか)
(’01.7.8 MTB/単独=元生野荘〜林道〜峠〜千町峠〜平石〜高星山〜学園)
◎山行条件 : 歩き/妻・井上夫妻(太子町) Age=57
◎コースの見所 : @ 天狗岩とその周辺の岩峰(龍頭岩含む)とその上からの大展望
A 天狗岩北面の石楠花
B 923mから高星への尾根に生えるアセビとミズナラ等の群落
C 高星から砥峰方面の展望
D 町界南下中に在る空中庭園
◎走行距離 : 往路 60.5km 往復 122.2km 播但道=往復 1400円
自宅発(7:25)〜明姫G/R〜播但道〜神崎南L/P(8:16)〜大河内町R=404〜
生野学園1・S/G(8:39)〜発(9:00)〜2・(9:15)〜3・(9:40)〜4・尾根(9:50 )〜
5・前回の下山コース交差(10:00)〜6・松の木(10:49)〜7・周辺(10:55〜11:20)〜
8・天狗岩(11:50)〜発(12:03)〜9・(12:25 おにぎり
発12:54)〜
10・源頭(13:07)〜11・高星(13:23 おにぎり)〜発(14:05)〜12・(14:10)〜
13・滝(14:26)〜14・空中庭園(14:36)〜15・(14:51)〜16・(14:53)〜
17・(15:10)〜18・(15:39)〜19・(16:04)〜20・グランド(16:08)〜
1・S/G(16:20)〜発(17:08)〜往路〜ながさわ仮眠〜自宅(18:54)
生野学園〜天狗岩〜高星〜町界南下
16
15
17
18
11・高星山・1016.4m
14
13
10
9
8・天狗岩
6
4
ルートを探しながら上へと登って行く、島田君達もここを通過したのだろうか・・?藪気は無く、歩くに支障なく超巨大岩の上に立つ。大展望に歓声が絶えない。井上さんも感動派で私に勝るとも劣らない歓声をあげていた。そして、ここ最後の岩場は左に回り込んでその上に出た。(数本のマーキングをした)上りきると横ばいで、開けた小さなコルに着いた。前回はここから東面へ下ったがその時の道は今も残っていた。また西面にも微かなふみ跡を見て確認したが激斜面の杉林に消えていた。
そこからの上りは尾根が切り開かれていて展望も良くなっていた。(前回は西面の展望無き桧林を下っていてその時のマーキングも残っていた)次々と現れる岩の上から展望しながら高度を上げて行く。北に、フトウガ峰から達磨ガ峰が美しい稜線を見せていた。天狗岩の北面裾に群落する石楠花に花が付いていないか探しているとラッキーにも一房だけ見つけて写真に撮る(崖に伸びて危険な所だったので井上さんのカメラにも収めさせてもらう)
下山の分岐点を確認しながら向きを北に変えて間もなく西面が開けて『高星山』に着いた。 (13:23) 井上さんは千町峠から二度目でここに立って(ピストン)今日で2度目。今日で高星〜学園がようやく繋がったと喜び一杯胸一杯。私も一度目は「栃原〜旗谷〜峠〜ヒシロガ峰〜長谷方面へコースアウト〜林(914.8m)現在地見失って怪しいと思いながらも立った証にと思って山名を『平石』と表示(島田くんに指摘を受ける)こんな場合は山名を入れないのが賢明と思うも後の後悔。
ここでは感激にひたりながら井上さんの接待を受ける。コンロで作った熱々のお茶とバナナ山歩きでは一番負荷が掛かり誰もが嫌がる重い物、まして井上さんは体調万全でなく現在リハビリ中と聞くから嬉しさよりも『恐縮』する。お茶を頂ながらの展望は霞ながらも大田池、砥峰、丸く美しい夜鷹山そして苦渋を飲んだ点名林が「早く間違いを直してくれよ」と言っているように思えて見える。そんな時、辿ってきた方向から子供の声がしてきた、どうやら後続がやってきているようだった。しかしいくら待っても上がって来なかった・・・。
井上さんと山座同定もしていよいよ下りにかかる。 発(14:05) 時々聞こえてくる声がする方を歩いていると、声の元は木が擦れあって出る時の音だった。界を外れないように井上さんと地形と地図を確認しながら下って、上手く界に乗れた。 12・(12:10) 界には黄色の角プラ杭を一本見ただけで後は終わり近くまで見なかった。右は桧の植林帯が続き、左は高木雑木で、その美しさに感動を受けながら下っていると奥さんが「水音がする」と・・・私は「風の音だろう」と思っていた。
しかし間もなく左の谷に「谷川」とも言える水量の流れを見て振り返ると、上の方に小さいながら滝を見つけ主人とそれを見に行く。 13・(14:26) 落差2m位だったか・・それでも滝としての風格を持ち合わせていた。私は『幻の滝』と命名したが井上さんは何とされたか・・。界にはユニヒモのマーキングが入っていた。何の障害も無く歩け、やがて前方が大きく明るく開けた。谷を渡って左の山肌のそこへ移り皆を呼ぶ。 14・(14:36)
まさにこれを庭園と呼ばずに何と呼ぶ、口々に庭園や・・庭園や・・と飛び交う。アセビと大小の岩が点在し、中央に細流が1本流れ本流に流れ込む。稜線の向こうは切れ落ちて空中となす。太い木を伐採した形跡も無かったが何故・・。(ここはここに立つ以外に学園からも天狗岩からも見えないと思う)感動を残して再び界に戻って歩む、藪を覚悟していたがその心配は無く 15・(14:51)
左木の間から天狗岩方面が見える、(16)からは谷を隔てて点名足尾(898.6m)が見える。その谷からの水音を聞きながら血沸き肉踊る?激斜面の下りに入る。中下りから急下りになる、自然のままの痩せ尾根を木にすがりながら下ってやがて緩くなる。何だか踏み跡のように歩き易い、再び激下りとなった時右から明りが射してきて目をやると物凄い岩壁あり、尾根から10m位外れてそこに立つ。
井上さんは高さ50mはあるとか・・。 17・(15:10) 激下りが緩むが左右の長い切れ落ちは県下類を見ないか・・?高さ2m周り3m位の立ち岩の横を通過、今度は左手岩の上に立つと天狗岩方面が全開で、見ていると「モアイの石像」発見、これは龍頭岩でこちらから見ると完璧にそう見える。ひとしきり感心してそこを発つ (15:36)
今度は尾根に大岩が並列するゴジラの背中(猿用語)の右下をトラバース。やがて尾根がY字に分かれる。 18・(15:39) 正面谷は手入れされていない桧林、右の植界を下るが後は展望無い界を下るだけ、コル近くで南に振り下りかけていたが直ぐ気が付いて修正、コルには南実線からだろう順視路が上がってきていた。ここから先の界は植林帯で面白味無いのと残り時間と余力を考えてグランドへ向かう事にした。
(計画では界を辿ってR=404へ下る)私はとりあえず直ぐ先のコブを越えてグランドへ向かった。 19・(16:04) 杉林から笹原を分けて行くとグランドの上に出た。 20・(16:08) 私は車に戻らず前回付けたマーキングの確認に行くと、やはり上る時に見た木、クヌギの木に3本の布が残っていた。車に戻ってしばらく話をして井上さんが先に帰路に就かれた。 井上さん今日は楽しい一日でした。ありがとうございました。
※これから高星山を目指す人で学園往復の場合は絶対このコースを試してみてください。(3)からスタートして谷の傾斜がきつくなる頃右の尾根に乗って上り、左桧林のトップから詰めれば大岩に当たると思う。ベストシーズンは秋・春先(若葉が茂る前、若葉が茂ると界からの展望が得られないかも)降雪時期は好みによる。
この山行は’03.9.29に揖保郡太子町の井上さんから届いた1通のEメールから始まる。それは、千町峠〜高星の縦走に関するものだった。その後、山に関する話(TEL・FAX・封書)をする中でこのコースを提案され、それに乗っかる形で同行する事になった。計画ルートは私達が始めてかと思う・・。播但道を神崎南で降りて学園へ向かって走っていると長谷駅の北辺りからカメラマンが目立ち始める。淵地区では「黒山の人だかり」現象が起きていた。目的は播但線を走る車両を撮るためだった。
間もなく待ち合わせ場所の学園入り口に着く。井上さんは既に着いてリラックスした状態で私達を迎えて下さった。井上さん夫婦とは今日が初対面、体形はどちらかと言えば「似た者夫婦」で波長が合ったのか私は初めての様な気がしなかった。明るく朝の挨拶を交して駐車場所に着いた。 1・S/G(8:39) 2本目橋の手前) 井上さんには私に初めて会うと言うことで特製と思えるクッキイーの詰め合わせを頂き誠に恐縮。会話をしながら準備をして発つ (9:00)
確認した訳でなかったが井上さんがコピーしていた島田君の登山ルートで上り始め、谷を渡るポイントを探しながら上ったがそれらしきマークも踏み跡も見付けられず結局林道終点に至った。 2・(9:15) そこで谷を渡って踏み跡を探したがここにも無い、他に上れそうな所は・・・と探すも地形は険しく、結局私が前回高星から下ってきた地点から上る事にして(私の判断)谷川に沿って下る。下り始めて間もなく数メートル先でリスが跳ねた。何度か渡渉して左の開けた笹原に入って行くと、木製の高床テントサイトに出た。 (9:28)
19
20
7
5
3
←
→
谷川を渡ってテントサイトに出た所
サイトへの道から外れて上り口へ向かう
(7)周辺の岩場 井上さんと私の妻右写真の超巨大岩を見上げる。この後この岩の上にも立つ
群生の石楠花の中これだけが咲いていた
やはりリ「龍頭岩」が正解か・・・。
天狗岩の上から(左から奥さん・主人・妻)
龍頭岩
↓
まだ咲き残っていたツツジ
(南から)高星山でお茶の準備の井上夫妻
子供の声を発していたのはこれ(ここ)だった
幻の滝
(西から)私は『空中庭園』と命名したが・・
(15)ピーク
↓
(17)地点の岩壁
界尾根から眺め天狗岩は前岩に隠れて見えない
龍頭岩→